2008年02月23日
8:光!
つばさは、じんざの隣でどうすることもできずに、座り込んでいた。
すでに1つ目の太陽が地平線の向こうに顔を出そうとしている。
「ん?」
誰かが服のすそを引っ張っていた。ポチとタマだ。ポチは散らばっていた
地図やマントや箱を集めてくれていた。
「元気出そうぜ!」
ポチはつばさの顔をペロペロとなめた。タマはじんざに寄り添うように
しゃがみこんだ。じんざに動く気配はなかった。つばさはしばらく
考え込むかのように押し黙っていたが、何かを決心したかのように、
スクッと立ち上がった。そして、
「行こう!」
と力強く言った。
「そうこなくっちゃ!」
つばさは、箱とマントだけを拾い上げた。
「地図はどうする?」
ポチが拾ってきてくれた地図に目をやったが、地図は真っ白になっていた。
「これじゃ、持っていってもしょうがないか。」
ポチはポツリとつぶやいた。つばさは、黒マントをバサッと広げ、
もうピクリとも動かないじんざにかぶせた。
「行ってくるね。」
そうじんざに語りかけるように言うと、くるりと向きを変え、森の中に入っていった。
それに続いてポチも森の中に姿を消した。しかし、タマはじんざのそばから離れようとはしなかった。
森の中は、夜のように暗かった。生い茂った葉で、太陽の光が届かないためだ。
さらにやっかいなのは、目指すべき山頂がまるで見えないことだ。つばさは、
自分が真っ直ぐに進んでいることだけを信じて歩き続けた。しばらくして、ポチが足を止めた。
「さっきから同じ所を歩いてないかい?」
つばさもそう感じていた。しかし、今までの道のりもそうだったと自分に言い聞かせて、
「もう少し行ってみよう!」
とポチに言った。その言葉に力強さはなかった。つばさは、持っていた箱を岩の上に置いた。
「これでわかるさ。」
そう言って、見えない山頂を目指して、再び歩き出した。
不安は見事に的中した。つばさたちの目の前にあの箱が現れたのだった。
つばさは小さく舌打ちして、今度は別の方向に歩き出した。しかし、
数十分後、またこの場所に戻ってきた。
「やっぱり、地図がないのは痛いなぁ。」
ポチが冷静につぶやいた。つばさの手は震えていた。拳をギュッと握りしめたかと思うと
「くそっ!」
という言葉とともに赤い箱を思い切り蹴り飛ばした。箱は鈍い音を立てて壊れてしまった。
「そう苛立つなよ。おいらだって同じ気持ちさ。とにかく、これからどうするかを考えようぜ。」
つばさは、ポチにそう言われて、この世界に来たときのことを思い出した。
怒っても、苛立っても何も解決しない。冷静になって考えてみること、
行動してみることを。だが、みらいとおじいさんが連れ去られ、じんざもいなくなった今、
焦る気持ちはなかなかおさまらなかった。特にあの竜が頭から離れないのだ。
2人は今、どうなっているのか。無事なのか、それとも…。そんなことを考えている間にも、
時間は無情にも過ぎていった。
つばさは、自分が蹴り飛ばして壊してしまった箱を拾い上げた。ふたは今にも
取れてしまいそうにぶら下がっている。
「ん?」
そのふたの内側に目が止まった。ふたの隙間に何か見える。何とふたが二重に
なっていたのだ。つばさは蹴り飛ばしたことでズレたのだった。
「何かあったのかい?」
ポチがつばさが何かゴソゴソやっているのに気付いた。
「なっ何だ、これ?」
ふたの中から、短い剣のようなものが出てきた。それにしても持つところに比べて、
刃の部分が短すぎる。これでは武器として使えそうにない。それにもう一つ、
持つところには穴が空いているのだ。まるで何かの球が入るかのように…。
「…?!」
つばさは胸のペンダントに目をやった。球の大きさは、この穴とほぼ同じ大きさだ。
そして、じんざと出会うことになった不思議な出来事が、つばさの頭の中をよぎった。
何か起こるかも知れない。しかも良いことが。つばさはわずかな希望を抱いて、
ペンダントに埋め込まれた球を無理矢理取り外した。そして、そのまま剣に球を押し込んだ。
その瞬間、球が輝きだし、短かった刃から光の刃が伸びてきた。つばさは驚いて
声も出せなかったが、両手で剣をしっかり握りしめていた。剣は輝きを増し続け、
その輝きが最高潮に達したかと思ったその時、
「わーーーーーーーーっ!」
刃の先から光の矢が飛び出し、森を突き破って、山頂までの一本道を造り出した。
「すっ、すっげーーー。」
ポチは目を丸くして言った。これで道は開けた。つばさは剣を片手に、
山頂目指して一気に駆け出した。ポチはその後を必死に追いかけた。
光の矢のおかげで山頂までは一直線だった。目の前の木々や枝葉を光の剣で切り裂き、
ただただ真っ直ぐに進んだ。
『待ってろよ!』
つばさは、心の中でつぶやき、不気味にそびえ立つ山を睨みつけていた。
すでに1つ目の太陽が地平線の向こうに顔を出そうとしている。
「ん?」
誰かが服のすそを引っ張っていた。ポチとタマだ。ポチは散らばっていた
地図やマントや箱を集めてくれていた。
「元気出そうぜ!」
ポチはつばさの顔をペロペロとなめた。タマはじんざに寄り添うように
しゃがみこんだ。じんざに動く気配はなかった。つばさはしばらく
考え込むかのように押し黙っていたが、何かを決心したかのように、
スクッと立ち上がった。そして、
「行こう!」
と力強く言った。
「そうこなくっちゃ!」
つばさは、箱とマントだけを拾い上げた。
「地図はどうする?」
ポチが拾ってきてくれた地図に目をやったが、地図は真っ白になっていた。
「これじゃ、持っていってもしょうがないか。」
ポチはポツリとつぶやいた。つばさは、黒マントをバサッと広げ、
もうピクリとも動かないじんざにかぶせた。
「行ってくるね。」
そうじんざに語りかけるように言うと、くるりと向きを変え、森の中に入っていった。
それに続いてポチも森の中に姿を消した。しかし、タマはじんざのそばから離れようとはしなかった。
森の中は、夜のように暗かった。生い茂った葉で、太陽の光が届かないためだ。
さらにやっかいなのは、目指すべき山頂がまるで見えないことだ。つばさは、
自分が真っ直ぐに進んでいることだけを信じて歩き続けた。しばらくして、ポチが足を止めた。
「さっきから同じ所を歩いてないかい?」
つばさもそう感じていた。しかし、今までの道のりもそうだったと自分に言い聞かせて、
「もう少し行ってみよう!」
とポチに言った。その言葉に力強さはなかった。つばさは、持っていた箱を岩の上に置いた。
「これでわかるさ。」
そう言って、見えない山頂を目指して、再び歩き出した。
不安は見事に的中した。つばさたちの目の前にあの箱が現れたのだった。
つばさは小さく舌打ちして、今度は別の方向に歩き出した。しかし、
数十分後、またこの場所に戻ってきた。
「やっぱり、地図がないのは痛いなぁ。」
ポチが冷静につぶやいた。つばさの手は震えていた。拳をギュッと握りしめたかと思うと
「くそっ!」
という言葉とともに赤い箱を思い切り蹴り飛ばした。箱は鈍い音を立てて壊れてしまった。
「そう苛立つなよ。おいらだって同じ気持ちさ。とにかく、これからどうするかを考えようぜ。」
つばさは、ポチにそう言われて、この世界に来たときのことを思い出した。
怒っても、苛立っても何も解決しない。冷静になって考えてみること、
行動してみることを。だが、みらいとおじいさんが連れ去られ、じんざもいなくなった今、
焦る気持ちはなかなかおさまらなかった。特にあの竜が頭から離れないのだ。
2人は今、どうなっているのか。無事なのか、それとも…。そんなことを考えている間にも、
時間は無情にも過ぎていった。
つばさは、自分が蹴り飛ばして壊してしまった箱を拾い上げた。ふたは今にも
取れてしまいそうにぶら下がっている。
「ん?」
そのふたの内側に目が止まった。ふたの隙間に何か見える。何とふたが二重に
なっていたのだ。つばさは蹴り飛ばしたことでズレたのだった。
「何かあったのかい?」
ポチがつばさが何かゴソゴソやっているのに気付いた。
「なっ何だ、これ?」
ふたの中から、短い剣のようなものが出てきた。それにしても持つところに比べて、
刃の部分が短すぎる。これでは武器として使えそうにない。それにもう一つ、
持つところには穴が空いているのだ。まるで何かの球が入るかのように…。
「…?!」
つばさは胸のペンダントに目をやった。球の大きさは、この穴とほぼ同じ大きさだ。
そして、じんざと出会うことになった不思議な出来事が、つばさの頭の中をよぎった。
何か起こるかも知れない。しかも良いことが。つばさはわずかな希望を抱いて、
ペンダントに埋め込まれた球を無理矢理取り外した。そして、そのまま剣に球を押し込んだ。
その瞬間、球が輝きだし、短かった刃から光の刃が伸びてきた。つばさは驚いて
声も出せなかったが、両手で剣をしっかり握りしめていた。剣は輝きを増し続け、
その輝きが最高潮に達したかと思ったその時、
「わーーーーーーーーっ!」
刃の先から光の矢が飛び出し、森を突き破って、山頂までの一本道を造り出した。
「すっ、すっげーーー。」
ポチは目を丸くして言った。これで道は開けた。つばさは剣を片手に、
山頂目指して一気に駆け出した。ポチはその後を必死に追いかけた。
光の矢のおかげで山頂までは一直線だった。目の前の木々や枝葉を光の剣で切り裂き、
ただただ真っ直ぐに進んだ。
『待ってろよ!』
つばさは、心の中でつぶやき、不気味にそびえ立つ山を睨みつけていた。
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06:52
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2008年02月16日
7:黒マントの人影
今までと同じように、歩いたり、休んだりを繰り返して、矢印が示す方向に向かって進んだ。
分かったことと言えば、夜の時間が極端に短いことだった。2つの太陽が沈み、夜空が広がるのは
3、4時間ほどだった。すぐに片方の太陽が昇ってくるのだ。
2日ほど経っただろうか。景色が変わった。今度は、目の前に大きな森、その中心にそびえ立つ
高い山が見えた。矢印はその山頂を目指しているかのようにも見えた。
「よし!」
つばさは力強くうなづき、山頂を指さした。
「何、かっこつけてんのよ!」
「うるさいなぁ。」
ポチとじんざはクスッと笑い、つばさたちの後に続いて、森へ急いだ。
ずいぶん森に近づいたとき、急につばさが立ち止まった。みらいはつばさにぶつかった。
「何よ!」
みらいはつばさを見上げたが、すぐにその理由が分かった。森の入口に黒いマントに
身を包んだ人影が見えたのだ。つばさは息を飲み込み、少しずつ黒マントの人影に
近づいていった。みらいはタマをギュッと抱きしめ、じんざは、姿勢を低くして身構えている。
ポチはそのじんざの後ろにいた。
あと10メートルという距離まで近づいたその時、黒マントの人影が動いた。
両手をフードにかけ、その顔を見せた。
「じいちゃん?!」
つばさは、全速力で駆け寄り、黒いマントに身を包んだおじいさんの胸に飛び込んだ。
「よく、ここまでたどり着いたなぁ。さすがわしの孫じゃわい。」
「おじいちゃん、大変だったのよ。トラに襲われるし、いろんな顔の人はいるし、
それに、それに…。」
みらいも駆け寄り、目に涙を浮かべながら、今まで起こった出来事を一気に話し出した。
おじいさんは、うんうんとうなづいて、つばさとみらいの話を真剣に聞いた。
「この世界は一体何なの?じいちゃんのくれた宝箱のおかげで、ぼくらは大変な目に
あったんだよ。」
つばさが最後にこう言うと、おじいさんはゆっくりと話し出した。
「つばさ、みらい、よく聞いておくれ。じいちゃんは旅が大好きなのは知っているね。」
「うん。」
「もう何十年も前になるかのう。ある旅の途中で、わしは、たくさんの子どもたちに
いじめられているカメを助けたんじゃ。するとそのカメが助けてくれたお礼にと
竜宮城というところに連れて行ってくれたんじゃよ。それはそれは美しいところじゃった。
そこにな、乙姫様という、今まで見たこともない、それは美しいお姫様がおったんじゃ。
そのお姫様はカメを助けてくれたお礼に3つの箱をくれたんじゃ。その1つがお前に
プレゼントした箱なんじゃよ。そのお姫様は不思議なことを言ってのう。『赤い箱は
あなたと同じ心を持つ人にあげてください。』と言ったんじゃ。わしも忘れっぽいが、
それだけは覚えとった。だから、お前が生まれて成長する様子を見て、つばさに
あげようと決めたんじゃ。…2つ目の箱は、わしもお前の誕生日に開けてみたよ。
すると中に手紙とこの黒いマントが入っておってなぁ。手紙には何と、さっき
お前たちが話してくれた通りのことが書いてあったんじゃよ。そして、黒いマントをつけたら、
光に包まれてここまで来たというわけじゃ。」
つばさはすかさず、
「じゃ、これからどうなるのさ、その手紙には何て書いてあったの?」
と切り出した。
「わしにもわからん…。」
おじいさんはそう言うと、1つの箱に目をやった。
「この箱に答えがあるのかもしれんのう。」
そう。3つ目の箱がおじいさんの手の中にあった。
「開けてみるとするかのぉ。」
おじいさんが箱を開けようと、ひもに手をかけたその時、
「ギャーーーーーーーーーーーー!」
今まで聞いたことのない雄叫びと共に突風がつばさたちを包んだ。
「空を…見ろ!」
じんざの言葉に一同が空を見上げると、そこには巨大な2頭の竜が猛スピードで
接近している。気付いたときには、漆黒の竜がおじいさんとみらいをわしづかみにし、
空高く舞い上がっていた。金色に光り輝くもう1頭の竜の鋭い爪には、血が付いていた。
2頭の竜はそびえ立つ山の頂上に向かって飛び去り、消えた。
「じんざ!」
つばさに覆いかぶさるようにしていたじんざの背中は、ザックリと引き裂かれ、
大量の血が流れ出していた。まわりには、おじいさんの身に付けていた黒マントと
みらいが抱えていた1つ目の箱、そして、ビリビリに破れた地図が残されていた。
「じんざ!じんざ!」
つばさは、じんざの体を大きくゆすり、泣き叫んでいた。うめき声を上げて、
体がピクピク動いている。すぐにバンドエードを貼ったが、あっという間に真っ赤に染まった。
つばさは、目を赤くして泣き続けた。そして、2つ目の太陽が沈み、短い夜がやってきた…。
分かったことと言えば、夜の時間が極端に短いことだった。2つの太陽が沈み、夜空が広がるのは
3、4時間ほどだった。すぐに片方の太陽が昇ってくるのだ。
2日ほど経っただろうか。景色が変わった。今度は、目の前に大きな森、その中心にそびえ立つ
高い山が見えた。矢印はその山頂を目指しているかのようにも見えた。
「よし!」
つばさは力強くうなづき、山頂を指さした。
「何、かっこつけてんのよ!」
「うるさいなぁ。」
ポチとじんざはクスッと笑い、つばさたちの後に続いて、森へ急いだ。
ずいぶん森に近づいたとき、急につばさが立ち止まった。みらいはつばさにぶつかった。
「何よ!」
みらいはつばさを見上げたが、すぐにその理由が分かった。森の入口に黒いマントに
身を包んだ人影が見えたのだ。つばさは息を飲み込み、少しずつ黒マントの人影に
近づいていった。みらいはタマをギュッと抱きしめ、じんざは、姿勢を低くして身構えている。
ポチはそのじんざの後ろにいた。
あと10メートルという距離まで近づいたその時、黒マントの人影が動いた。
両手をフードにかけ、その顔を見せた。
「じいちゃん?!」
つばさは、全速力で駆け寄り、黒いマントに身を包んだおじいさんの胸に飛び込んだ。
「よく、ここまでたどり着いたなぁ。さすがわしの孫じゃわい。」
「おじいちゃん、大変だったのよ。トラに襲われるし、いろんな顔の人はいるし、
それに、それに…。」
みらいも駆け寄り、目に涙を浮かべながら、今まで起こった出来事を一気に話し出した。
おじいさんは、うんうんとうなづいて、つばさとみらいの話を真剣に聞いた。
「この世界は一体何なの?じいちゃんのくれた宝箱のおかげで、ぼくらは大変な目に
あったんだよ。」
つばさが最後にこう言うと、おじいさんはゆっくりと話し出した。
「つばさ、みらい、よく聞いておくれ。じいちゃんは旅が大好きなのは知っているね。」
「うん。」
「もう何十年も前になるかのう。ある旅の途中で、わしは、たくさんの子どもたちに
いじめられているカメを助けたんじゃ。するとそのカメが助けてくれたお礼にと
竜宮城というところに連れて行ってくれたんじゃよ。それはそれは美しいところじゃった。
そこにな、乙姫様という、今まで見たこともない、それは美しいお姫様がおったんじゃ。
そのお姫様はカメを助けてくれたお礼に3つの箱をくれたんじゃ。その1つがお前に
プレゼントした箱なんじゃよ。そのお姫様は不思議なことを言ってのう。『赤い箱は
あなたと同じ心を持つ人にあげてください。』と言ったんじゃ。わしも忘れっぽいが、
それだけは覚えとった。だから、お前が生まれて成長する様子を見て、つばさに
あげようと決めたんじゃ。…2つ目の箱は、わしもお前の誕生日に開けてみたよ。
すると中に手紙とこの黒いマントが入っておってなぁ。手紙には何と、さっき
お前たちが話してくれた通りのことが書いてあったんじゃよ。そして、黒いマントをつけたら、
光に包まれてここまで来たというわけじゃ。」
つばさはすかさず、
「じゃ、これからどうなるのさ、その手紙には何て書いてあったの?」
と切り出した。
「わしにもわからん…。」
おじいさんはそう言うと、1つの箱に目をやった。
「この箱に答えがあるのかもしれんのう。」
そう。3つ目の箱がおじいさんの手の中にあった。
「開けてみるとするかのぉ。」
おじいさんが箱を開けようと、ひもに手をかけたその時、
「ギャーーーーーーーーーーーー!」
今まで聞いたことのない雄叫びと共に突風がつばさたちを包んだ。
「空を…見ろ!」
じんざの言葉に一同が空を見上げると、そこには巨大な2頭の竜が猛スピードで
接近している。気付いたときには、漆黒の竜がおじいさんとみらいをわしづかみにし、
空高く舞い上がっていた。金色に光り輝くもう1頭の竜の鋭い爪には、血が付いていた。
2頭の竜はそびえ立つ山の頂上に向かって飛び去り、消えた。
「じんざ!」
つばさに覆いかぶさるようにしていたじんざの背中は、ザックリと引き裂かれ、
大量の血が流れ出していた。まわりには、おじいさんの身に付けていた黒マントと
みらいが抱えていた1つ目の箱、そして、ビリビリに破れた地図が残されていた。
「じんざ!じんざ!」
つばさは、じんざの体を大きくゆすり、泣き叫んでいた。うめき声を上げて、
体がピクピク動いている。すぐにバンドエードを貼ったが、あっという間に真っ赤に染まった。
つばさは、目を赤くして泣き続けた。そして、2つ目の太陽が沈み、短い夜がやってきた…。
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07:21
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2008年02月09日
6:激突!
間近で見ると、トラはさらに大きく見えた。つばさたちはごくりとつばを飲み込み、
低いうなり声を上げてこちらを見ているトラを見つめた。
つばさは、近くに落ちていた枝を拾い上げ、苦し紛れに振り回した。トラは鼻を
鳴らし、軽く前足を振り上げ、枝をへし折った。少しずつ後ずさりしながら、短く
なった枝をトラに向かって思い切り投げたが、枝はトラをかすめて、むなしく
ポチャリと音を立てて、湖に浮かんだ。一瞬、物音が止み、
心臓の音だけがしたかと思った瞬間、
「ガォーーーーーーーーッ!」
トラが立ち上がり、前足を広げて、つばさたちに飛びかかった。
「わーーーーーー!」
もうダメだと思ったその時、胸のペンダントが強い光を放ち、
ライオンが飛び出してきた。
凄まじい戦いだった。鋭い爪や牙を武器にトラとライオンがぶつかり合った。
つばさたちは驚き、逃げることも忘れ、息をのんでその戦いを見つめていた。
何分経ったのだろう。戦いは、激しさを増しながら続いていた。しかし、
トラもライオンもお互い傷つき、血を流している。そして、2頭の動きが止まった。
緊迫した空気が流れた。その時、
「ヘックション!」
みらいのくしゃみだ。その声にトラがこちらをチラッと見た。ライオンは
その瞬間を見逃さなかった。勢いよくトラに飛びかかり、
それに反応するかのようにトラも飛びかかる。
すれ違うかのようにして、ライオンとトラは、お互い背を向け立ち止まった。
力尽きたのはライオンだった。前足を地面に崩し、顔を歪めた。
トラは勝利を確信したようにつばさたちの方に振り返り、低いうなり声を上げた。
つばさたちは、ズルズルと後ずさり、全身が震えた。しかし、次の瞬間、
ドサッ!
大きな音を立てて、トラが倒れた。つばさたちは急に力が抜け、
その場に座り込んだ。ヨロヨロとライオンが立ち上がり、つばさたちに近づいてくる。
つばさたちは、その場から動くことが出来なかった。ライオンの体は傷だらけで、
あちらこちらから血が出ている。
「だい…じょう…ぶ…か。」
何とライオンがしゃべった。つばさは恐る恐る話しかけた。
「ぼっぼっぼ、ぼ、ぼくらの言葉がわかるの?」
「少し…な。ペンダント…の中で…覚え…た。俺の…名は…『じんざ』。」
「ぼっぼくはつばさ。こっこ、こ、こっちは妹のみらいと犬のポチ。」
「ああ…、知って…いる。」
「そっそうなんだ。」
「少し…つかれ…た。…ねる。」
そう言い終わるとじんざは、その場にうずくまり、大きないびきをかいて寝てしまった。
「たっ助かった~。」
大きなため息をついて、つばさはみらいを見た。みらいは、まだ目を丸くしている。
つばさは、おもむろにカバンからバンドエードとタオルを取り出した。タオルを湖で絞り、
じんざの血まみれの体をふいた。傷口のひどいところに、お母さんからもらった
バンドエードを貼ってあげた。しばらくすると、みらいも元気を取り戻し、じんざのために、
ポチと一緒に果物を採りに行っていた。
地図の『トラ』の文字が消え、再び矢印が浮かび上がっていた。
何時間かして、大きないびきが止み、じんざが目を覚ました。
「これは…お前が?」
じんざは、バンドエードに目をやってそう言った。
「ああ、そうだよ。もう大丈夫なの?」
つばさは、今までのことや街でのこと、この世界でのことを一気にしゃべった。
「すまない…。まだ、うまく…わから…ない。」
じんざに聞けば、何か分かると思ったが、まだ時間がかかるようだ。しかし、
仲間になって付いてきてくれるように頼むと、じんざは快く受け入れてくれた。
そして、みらいとポチが採ってきた果物をおいしそうに食べた。
再び、矢印に向かって歩き出すことを決めたつばさたちは、倒れているトラを
避けるようにして歩き出した。その時、茂みがガサッと動いた。
つばさたちは驚き、身構えた。しかし、茂みから出てきたそれを見て力を抜いた。
トラの赤ちゃんだった。ネコのような白色の赤ちゃんトラは、倒れているトラに近づき、
その大きな体をペロペロとなめた。
「悪い…ことを、した…な。」
じんざはそうつぶやき、赤ちゃんトラに近づいた。何かを話しかけているようだったが、
つばさたちにはわからなかった。しばらくして、じんざは戻ってきてこう言った。
「こいつも、連れて…いく。」
つばさたちは笑顔でうなづいた。みらいは赤ちゃんトラを抱き上げ、
「あんた、タマね。」
とうれしそうに言った。つばさは吹き出しそうになったが、ネコのように真っ白な
赤ちゃんトラとみらいの笑顔を見て、微笑んでいた。
こうして、新しい仲間を2頭加え、つばさたちの先の見えない冒険の旅は、
いよいよ後半に突入する。もちろん、そのことをつばさたちは知るはずもない…。
低いうなり声を上げてこちらを見ているトラを見つめた。
つばさは、近くに落ちていた枝を拾い上げ、苦し紛れに振り回した。トラは鼻を
鳴らし、軽く前足を振り上げ、枝をへし折った。少しずつ後ずさりしながら、短く
なった枝をトラに向かって思い切り投げたが、枝はトラをかすめて、むなしく
ポチャリと音を立てて、湖に浮かんだ。一瞬、物音が止み、
心臓の音だけがしたかと思った瞬間、
「ガォーーーーーーーーッ!」
トラが立ち上がり、前足を広げて、つばさたちに飛びかかった。
「わーーーーーー!」
もうダメだと思ったその時、胸のペンダントが強い光を放ち、
ライオンが飛び出してきた。
凄まじい戦いだった。鋭い爪や牙を武器にトラとライオンがぶつかり合った。
つばさたちは驚き、逃げることも忘れ、息をのんでその戦いを見つめていた。
何分経ったのだろう。戦いは、激しさを増しながら続いていた。しかし、
トラもライオンもお互い傷つき、血を流している。そして、2頭の動きが止まった。
緊迫した空気が流れた。その時、
「ヘックション!」
みらいのくしゃみだ。その声にトラがこちらをチラッと見た。ライオンは
その瞬間を見逃さなかった。勢いよくトラに飛びかかり、
それに反応するかのようにトラも飛びかかる。
すれ違うかのようにして、ライオンとトラは、お互い背を向け立ち止まった。
力尽きたのはライオンだった。前足を地面に崩し、顔を歪めた。
トラは勝利を確信したようにつばさたちの方に振り返り、低いうなり声を上げた。
つばさたちは、ズルズルと後ずさり、全身が震えた。しかし、次の瞬間、
ドサッ!
大きな音を立てて、トラが倒れた。つばさたちは急に力が抜け、
その場に座り込んだ。ヨロヨロとライオンが立ち上がり、つばさたちに近づいてくる。
つばさたちは、その場から動くことが出来なかった。ライオンの体は傷だらけで、
あちらこちらから血が出ている。
「だい…じょう…ぶ…か。」
何とライオンがしゃべった。つばさは恐る恐る話しかけた。
「ぼっぼっぼ、ぼ、ぼくらの言葉がわかるの?」
「少し…な。ペンダント…の中で…覚え…た。俺の…名は…『じんざ』。」
「ぼっぼくはつばさ。こっこ、こ、こっちは妹のみらいと犬のポチ。」
「ああ…、知って…いる。」
「そっそうなんだ。」
「少し…つかれ…た。…ねる。」
そう言い終わるとじんざは、その場にうずくまり、大きないびきをかいて寝てしまった。
「たっ助かった~。」
大きなため息をついて、つばさはみらいを見た。みらいは、まだ目を丸くしている。
つばさは、おもむろにカバンからバンドエードとタオルを取り出した。タオルを湖で絞り、
じんざの血まみれの体をふいた。傷口のひどいところに、お母さんからもらった
バンドエードを貼ってあげた。しばらくすると、みらいも元気を取り戻し、じんざのために、
ポチと一緒に果物を採りに行っていた。
地図の『トラ』の文字が消え、再び矢印が浮かび上がっていた。
何時間かして、大きないびきが止み、じんざが目を覚ました。
「これは…お前が?」
じんざは、バンドエードに目をやってそう言った。
「ああ、そうだよ。もう大丈夫なの?」
つばさは、今までのことや街でのこと、この世界でのことを一気にしゃべった。
「すまない…。まだ、うまく…わから…ない。」
じんざに聞けば、何か分かると思ったが、まだ時間がかかるようだ。しかし、
仲間になって付いてきてくれるように頼むと、じんざは快く受け入れてくれた。
そして、みらいとポチが採ってきた果物をおいしそうに食べた。
再び、矢印に向かって歩き出すことを決めたつばさたちは、倒れているトラを
避けるようにして歩き出した。その時、茂みがガサッと動いた。
つばさたちは驚き、身構えた。しかし、茂みから出てきたそれを見て力を抜いた。
トラの赤ちゃんだった。ネコのような白色の赤ちゃんトラは、倒れているトラに近づき、
その大きな体をペロペロとなめた。
「悪い…ことを、した…な。」
じんざはそうつぶやき、赤ちゃんトラに近づいた。何かを話しかけているようだったが、
つばさたちにはわからなかった。しばらくして、じんざは戻ってきてこう言った。
「こいつも、連れて…いく。」
つばさたちは笑顔でうなづいた。みらいは赤ちゃんトラを抱き上げ、
「あんた、タマね。」
とうれしそうに言った。つばさは吹き出しそうになったが、ネコのように真っ白な
赤ちゃんトラとみらいの笑顔を見て、微笑んでいた。
こうして、新しい仲間を2頭加え、つばさたちの先の見えない冒険の旅は、
いよいよ後半に突入する。もちろん、そのことをつばさたちは知るはずもない…。
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07:20
│Comments(2)
2008年02月02日
5:2つの湖
不思議とお腹はすかなかった。しかし、景色はあの街にたどり着いたときまでと
同じように、ただただ同じ場所を歩いているかのように繰り返された。
「何かあるのかな?」
つばさはペンダントを眺めながらつぶやいた。胸のペンダントに変化はない。
ライオンが映し出されている以外には。
半日は歩いただろうか。目の前にキラキラ光るものが見えた。
「今度は何だ?」
地図はただ、矢印を映し出しているだけだったが、その光る方向を示している。
2人はとにかく先を急いだ。
「わーーーっ、でっかい池!」
「こういうのは湖っていうんだよ。」
そこには2つの小さな湖があった。キラキラ光って見えたのは、湖の水面が
太陽の光を反射していたからだ。湖の周りには、たくさんの果物がなっていた。
前にポチが持ってきてくれたものと同じだ。
「これ、ポチが持ってきてくれたのと同じだね。この世界には、ほかにも果物
あるのかなぁ。」
「…。」
ポチは黙っていたが、しばらくして
「おいら、ここから持ってきたんだよね…。」
と、ぼそりとつぶやいた。
「えっ?!」
2人は、ほぼ同時にポチを振り返った。
「おいらも不思議に思ってさ。前に2人が眠っているときに、おいしそうな
においがするもんだから、そのにおいのする方へ行ってみたんだ。そしたら
ここに着いて…。食べたらおいしかったから、2人にも食べさせたいなって思って。
おいら3往復したんだ。」
今まで、どれだけ歩いたのだろう。地図にだまされていたのだろうか。
2人はぺたりと座り込んだ。つばさは地図をギュッと握りしめて、湖に向かって
投げようとした。しかし、やめた。破れそうだった地図は、さらにボロボロになった。
つばさは、そのボロボロになった地図を丁寧に開いた。
「あっ…。」
そこには、また矢印が消え、今度は『トラ』の文字があった。みらいにもポチにも
地図を見せた。しかし、当然その意味は誰にもわかるはずもなかった。
しばらくして、みらいが立ち上がり、
「まぁ気にしてもしょうがないわよ。なるようになるわ。」
と明るく振る舞った。そして、
「それにしても、きれいな池ね!」
そう言うと、少し大きめの湖の方に近づき、のぞき込んだ。
「えっ?! お母さん?」
何とそこには、お母さんの顔が映し出されていたのだ。あわててつばさが
駆け寄ると、今度はお父さんの顔が浮かび上がった。しかし、よく見ると、
少しいつものお父さんとお母さんと感じが違う。
「こっ、これはぼく?!」
ポチも顔を近づけると、そこには大きくなり、少し精悍な顔つきになった
犬の姿が浮かび上がった。何とこの湖は未来の自分の姿を映し出すらしい。
今度はみらいが少し小さめの湖に駆け出した。
「わっ、かわいい~。」
つばさとポチもそちらに向かうと、幼い頃の自分の顔が映っていた。
どうやらこちらは過去を映し出すらしい。ポチの顔が映らなかったのは、
今のポチが小さいからであろう。2人はおもしろがって、あっちに行ったり、
こっちに行ったりして楽しんだ。しかし、それもしばらくの間だけだった。
「今度は『トラ』かぁ。」
つばさは、そうつぶやいて、ゴロリと寝ころび、空を見上げた。
そして、何分か経ったとき、
「グルグルグルッ…」
どこからともなく動物のうなり声のような音が聞こえた。
つばさはガバッと体を起こし、周りを見回した。動物の姿はどこにもない。
しかし、次の瞬間、黄色の影が湖の向こう側を横切った。
「トラ?」
その声にみらいとポチも気づき、湖の向こう側を見た。今度ははっきり見えた。
大きなトラが舌なめずりをして、こちらをにらみつけている。
「おいらが前に来たときはいなかったよ…。」
ポチは少し震えながらそう言った。
トラはどんどん近づいてくる。つばさたちは湖をぐるりと回るように少しずつ、
トラから遠ざかった。トラは、少しずつ近づくスピードを上げ、つばさたちに近づいてくる。
気づいたら、つばさたちは走り出していた。当然、トラも走り出し、あっという間に
つばさたちの前に立ちはだかった。
同じように、ただただ同じ場所を歩いているかのように繰り返された。
「何かあるのかな?」
つばさはペンダントを眺めながらつぶやいた。胸のペンダントに変化はない。
ライオンが映し出されている以外には。
半日は歩いただろうか。目の前にキラキラ光るものが見えた。
「今度は何だ?」
地図はただ、矢印を映し出しているだけだったが、その光る方向を示している。
2人はとにかく先を急いだ。
「わーーーっ、でっかい池!」
「こういうのは湖っていうんだよ。」
そこには2つの小さな湖があった。キラキラ光って見えたのは、湖の水面が
太陽の光を反射していたからだ。湖の周りには、たくさんの果物がなっていた。
前にポチが持ってきてくれたものと同じだ。
「これ、ポチが持ってきてくれたのと同じだね。この世界には、ほかにも果物
あるのかなぁ。」
「…。」
ポチは黙っていたが、しばらくして
「おいら、ここから持ってきたんだよね…。」
と、ぼそりとつぶやいた。
「えっ?!」
2人は、ほぼ同時にポチを振り返った。
「おいらも不思議に思ってさ。前に2人が眠っているときに、おいしそうな
においがするもんだから、そのにおいのする方へ行ってみたんだ。そしたら
ここに着いて…。食べたらおいしかったから、2人にも食べさせたいなって思って。
おいら3往復したんだ。」
今まで、どれだけ歩いたのだろう。地図にだまされていたのだろうか。
2人はぺたりと座り込んだ。つばさは地図をギュッと握りしめて、湖に向かって
投げようとした。しかし、やめた。破れそうだった地図は、さらにボロボロになった。
つばさは、そのボロボロになった地図を丁寧に開いた。
「あっ…。」
そこには、また矢印が消え、今度は『トラ』の文字があった。みらいにもポチにも
地図を見せた。しかし、当然その意味は誰にもわかるはずもなかった。
しばらくして、みらいが立ち上がり、
「まぁ気にしてもしょうがないわよ。なるようになるわ。」
と明るく振る舞った。そして、
「それにしても、きれいな池ね!」
そう言うと、少し大きめの湖の方に近づき、のぞき込んだ。
「えっ?! お母さん?」
何とそこには、お母さんの顔が映し出されていたのだ。あわててつばさが
駆け寄ると、今度はお父さんの顔が浮かび上がった。しかし、よく見ると、
少しいつものお父さんとお母さんと感じが違う。
「こっ、これはぼく?!」
ポチも顔を近づけると、そこには大きくなり、少し精悍な顔つきになった
犬の姿が浮かび上がった。何とこの湖は未来の自分の姿を映し出すらしい。
今度はみらいが少し小さめの湖に駆け出した。
「わっ、かわいい~。」
つばさとポチもそちらに向かうと、幼い頃の自分の顔が映っていた。
どうやらこちらは過去を映し出すらしい。ポチの顔が映らなかったのは、
今のポチが小さいからであろう。2人はおもしろがって、あっちに行ったり、
こっちに行ったりして楽しんだ。しかし、それもしばらくの間だけだった。
「今度は『トラ』かぁ。」
つばさは、そうつぶやいて、ゴロリと寝ころび、空を見上げた。
そして、何分か経ったとき、
「グルグルグルッ…」
どこからともなく動物のうなり声のような音が聞こえた。
つばさはガバッと体を起こし、周りを見回した。動物の姿はどこにもない。
しかし、次の瞬間、黄色の影が湖の向こう側を横切った。
「トラ?」
その声にみらいとポチも気づき、湖の向こう側を見た。今度ははっきり見えた。
大きなトラが舌なめずりをして、こちらをにらみつけている。
「おいらが前に来たときはいなかったよ…。」
ポチは少し震えながらそう言った。
トラはどんどん近づいてくる。つばさたちは湖をぐるりと回るように少しずつ、
トラから遠ざかった。トラは、少しずつ近づくスピードを上げ、つばさたちに近づいてくる。
気づいたら、つばさたちは走り出していた。当然、トラも走り出し、あっという間に
つばさたちの前に立ちはだかった。
Posted by KENZO at
07:26
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